泣いて内偵を振り返る
逮捕勾留で、警察と濃密な時間をともに過ごしたことで、今では街でもどれが警察か自然と分かってしまいます。
特有の目の動きや目つきがありますからね。
では、内偵を笑って振り返りましょう。
逮捕直前の数ヶ月間で、「あの時のあれは警察の尾行だったな」と思うエピソードが幾つもあります。
辛うじて、逆の職務質問はしませんでした。
街を歩いていたら、ナンパを装って声をかけてきた男が、手当たり次第のナンパとは思えないほど、電話番号をしつこく聞き出そうとしてきたり、
待ち合わせの筈がないような場所で、待ち伏せをしている人がいたり、
お店の中でストーカーまがいのつきまといがいたり、
タバコを吸わないのに喫煙スペースで待機しているふりをしているのがいたり、
レストランで食事を終えて出たら、正面を向いて待っていた男が、歩き出すのと携帯を耳に当てるのと電話口で喋るのとを同時に始めたり、
人が一人もいない真夜中の静かな住宅街なのに、私が駅から出たら、そこにいた男がこちらの様子を把握しながら歩き出すのと携帯を耳に当てるのと電話口で喋るのとを同時に始めたり。
「全部気づいてましたよ。だって、◯◯なのに◯◯なのは不自然だから」と突き詰めてみたところ、
「君は頭がいい。君が警察になったら、内偵の仕方を教える」と言われました。
警察になる気なんて1ミリも持ち合わせていないのに。
そんなこんなで、見抜くのは簡単です。
スーツを着ていても私服でも、共通するのは斜めがけのバッグなどで、両手を開けている。いつでも走れる靴を履いている。何かを見る時の目つきが獲物を睨みつけるような露骨な鋭さなので分かりますね。目つきでバレないように、携帯の画面を見ているふりをして、実はカメラ越しにこちらを観察していたり。
こんな話を聞いたことがあります。
銀座のママ曰く、「お客さんの中で職業が警察の人はすぐに分かる」だそうです。