ちょっと合宿に行ってきた。

真面目に笑える手記を書きます。逮捕勾留の貴重な経験を、誰かのためになればと、書き綴るブログです。

たしかなこと。逮捕されてからこの曲を聴くと泣けてくる。

 

「たしかなこと」小田和正/作詞作曲 

 

雨上がりの空を見ていた  通り過ぎてゆく人の中で
哀しみは絶えないから  小さな幸せに 気づかないんだろ

時を越えて君を愛せるか ほんとうに君を守れるか
空を見て考えてた 君のために 今何ができるか 

 

忘れないで どんな時も きっとそばにいるから
そのために僕らは この場所で
同じ風に吹かれて 同じ時を生きてるんだ

自分のこと大切にして 誰かのこと そっと想うみたいに
切ないとき ひとりでいないで 遠く 遠く離れていかないで

 

疑うより信じていたい たとえ心の傷は消えなくても
なくしたもの探しにいこう いつか いつの日か見つかるはず

いちばん大切なことは 特別なことではなく
ありふれた日々の中で 君を
今の気持ちのまゝで 見つめていること

君にまだ 言葉にして 伝えてないことがあるんだ
それは ずっと出会った日から 君を愛しているということ

君は空を見てるか 風の音を聞いてるか
もう二度とこゝへは戻れない
でもそれを哀しいと 決して思わないで

 

 

原宿警察署を出て、最初に食べたものはクレープ

 

中間調べで検察に呼ばれて、釈放が決まり、明日の朝にでも帰るのかなと悠長に構えていた私ですが、護送バスで留置場に戻ったら保釈の段取りは既に整っていて、夜ごはんも食べさせてもらえず、翌日のお風呂を楽しみにしていたというのに、仲間達と挨拶さえ出来ぬまま、

「20時15分、釈放しますっ!」と言われて、寒くて暗い夜の街に、いきなり放り出された訳です。お世話になりました。

 

携帯電話もない状態で、ましてや夜に、見知らぬ土地で放り出された時の心細さと言ったら。留置場生活が想像以上に温かかったので、一歩出て世間の風に触れた瞬間、

逆のホームシックを起こしました。笑

 

原宿警察署を出たら神社があり、そこを歩いてみることにして、夜の神社の千と千尋のような雰囲気を抜けたら、一気に明るい場所に出た。原宿竹下通りだった。

普段なら来ないような場所で、クレープという普段なら食べないようなものを食べた。

 

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この時の所持金は800円でした。逮捕されたときの所持金から、留置場でかかった品物代を天引きされた残りがお財布とともに戻ってきます。

 

いきなり放り出されても、いきなりステーキが食べられるくらいの現金を入れておこうと思います。

 

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偽装結婚

 

これまでの記事で、仲間達のことを少し書いた。 

 

uniikurahime.hatenablog.com

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今回は、同室にいた中国人のBさんについて書く。

「釈放されたら焼き肉が食べたい!!」

天真爛漫にそう話す彼女は、身長が高く、モデルのようで、美人というだけで罪だと言われる典型である。

偽装結婚で捕まったらしい。20歳年上の日本人の旦那も同時に捕まったらしい。本人の主張は、一緒には住んでいないけれど毎月会っているので偽装ではない、本当の夫婦だとのこと。何をもって偽装とするのか。

人の心の中は覗けない。恋愛は思い込みが9割とも言う。真か偽装かなんて、誰に決める権利があるのか。

協調性なし、共存無理な私が、結婚するとしたら、それこそ真の偽装結婚になりそうだ。笑 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

留置場でのロングバケーション

 

「神様がくれた長い休暇だと思って。」

 

突然の逮捕に続く勾留で、世間から隔離され、この先どうなるのか分からない。

旦那なし、財産なし、協調性なしの三重苦な上に、今度は浦島太郎か。

「人生起こること全てに意味がある」弁護士にそう言われても、どう意味付けをしたら良いか分からない。

逮捕は、警察の気分次第なところがあるので、なぜいきなり拉致されて自分が今こういう状況に置かれているのか全く理解できない。

そんな時に、頭をよぎったのが冒頭のキムタクの名台詞です。

 

留置場生活は、やることがないくせに朝早く起こされ、本当に暇で発狂しそうになります。昼寝をするにも、夜9時就寝なのでこれ以上眠気がありません。

考え事をするか、何も考えないでぼーっとするか。インドの瞑想修業に思えてくる。

暇つぶしというと、新聞を読むか、読書しかすることがない訳ですが、これが最高の時間なのです。

普段の生活では、肌身離さず持っているスマホ依存で、ニュースもネットで読んでいるが、逮捕されてからは、電波を発する機器の持ち込みが禁止なので携帯電話を取り上げられていて、外部との連絡はおろかもちろんインターネットもできない。

そして、留置場は、これが都会のど真ん中だとはとても思えないほど、とても静かな環境で、耳を澄ませば、鳥の鳴き声が幽かに聞こえてくる。

 

まとめると、世間の雑踏から隔離され、ネットから解放され、冷暖房完備のきれいな建物にひきこもって、上下スウェットという最も楽な格好で、寝転がって、大好きな読書に没頭できるのは、むしろ、 贅沢な時間なのではないか。

 

これが試練だとしても、長い人生、こういう時間があってもいいかもしれない。 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

カレンダーの数え方

 

逮捕されると、きっと誰もが考えるのが、48時間の逮捕期と20日の勾留期を合わせて、

自分は一体いつここから出られるのかということ。

 

スマホは取り上げられている、インターネットも使えない、紙のカレンダーすら見ることができない生活の始まりです。

トンネルを抜けると雪国なのか、裁判なのか。

私自身、起訴されたら更に3ヶ月は帰れないよと弁護士に言わていた。

一人暮らしの場合、一ヶ月家を空けたらインフラが止まり始め、家賃も払えず追い出され、釈放されても帰るところがなくなるではないか。

 

朝起きて、読書をして、お昼ご飯を食べて、読書をして、寝る。省略されている、布団片付け、洗面、歯磨き、ニベア、点呼なども毎日決まった時間にある。

これほど規則正しい生活を判で押したように毎日繰り返していると、今日は一体いつなのか分からなくなる。

 

◯月◯◯日逮捕、二日後に検察、三日後に勾留質問・・・

数え始めても、そのあたりから日付は把握しなくなり、むしろ日付はいらないことに気付き、曜日のみで生きるようになり、4日に1回のお風呂が待ち遠しくて、カウントダウンが僕らの使命。

 

 月火水金土日

 風火水木土日

 月水木金

 

みんなのはしゃぎっぷりと言ったら、ここでは、お風呂がディズニーランド!

仕舞いには、20日間の勾留を4で割った。(笑)

 

取調中、いきなり釈放と言われた瞬間、「そんなの困ります。明日、お風呂の日なんです」と真顔で言いかけたのが私です。

 

この記事で言いたかったことは、留置場のシャワーがコンドミニアム仕様で豪華だったということです。

 

 

 

 

 

 

 

人生なにが起こるか分からない。だから、お財布には多めにお金を。

 

 「ラブストーリーは突然に」に負けず劣らず、逮捕も突然やってくる。

それは、まるで拉致のようだと前記事に書いた。

 

uniikurahime.hatenablog.com

 

 

 

「なぜ逮捕されたのか?」と聞かれたら、逮捕状が出たからとしか答えようがない。

 

警察が突然家に来て連行されると、その後を見越して途中でATMに立ち寄ってくれるなんてことは、罷り間違っても絶対にない。

 逮捕されて留置場に送り込まれると、お財布の中にある所持金の範囲内でしか、生活物資の購入が出来ない。

 

歯ブラシ、タオル、下着など、必要最低限のものを半ば強制的にリストアップして買わされ、それだけで3000〜4000円かかる。

その代金は、釈放時に、所持金から勝手に天引きされる。(笑)

 

所持金の足りない人は、新品ではないが一通りのものは貸してもらえる。

 

食べ物を差し入れてもらうことはできないが、現金は可能なので、面会に来た人に借りるなり、弁護士にキャッシュカードを預けて下ろしてきてもらうなり、手段はあるが、面会にくる友人がいない、強がって弁護士も頼んでいない人(私)は、本当に心許ない思いをします。

 

お金さえあれば、自弁や飲み物を買ったりも出来る。

 地獄の沙汰も金次第なのである。

 

人生何が起こるか分からないので、お財布には多めにお金を入れておきましょうというのが、教訓でした。

 

クレジットカードやお財布携帯の利便性にどっぷりはまり、キャッシュレスの生活が当たり前になっていた 私は、「店前現金掛け値なし」という越後屋の原点にまで返って(大げさ)、現金の大切さを思ったのです。

 

 

これを読んでいる皆さんは、突然の逮捕 急な震災に備えて、多めに入れておきましょう。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本の長すぎる勾留時間

 

 

英語で言うところのロングステイです。

最大22泊となります。

 日本ではどうやら警察が逮捕状を請求すると、99.99%という純金に迫る勢いで裁判官はあっさり発行し、そのうちお迎えがやってきて逮捕に至る。

逮捕されると、検察に身柄送検され、検察官が「逃亡の恐れあり」とか言って簡単に勾留を請求すると裁判官はほぼ認めるので、もれなく10日間の勾留が決定し、それでも足りなければ、もれなく10日間延長となる。

もはや、一度逮捕状が出てしまったら、エスカレーター式で勾留までいくと言っても過言ではない。

 

調べたところによると、欧米とはかなり相違があるようだ。

 

1 逮捕・勾留時間
  日本 23日
  欧米 2~3日

 

波があるかないかは天地の差!笑



2  勾留場所
  日本 警察代用監獄(被疑者を無制限に取り調べ可能)
  欧米 関係の無い拘置所(取調べには拘置所規則の厳格な制約がある)

3 取調べに際しての弁護士の立会
  日本 許されない
  欧米 当然認められる

4 勾留の目的
  日本 自白獲得(長い拘留期間を利用して自白を引き出す)
  欧米 客観的証拠の収集(被疑者の供述を得る程度)

5 警察の機能
  日本 自白の獲得等、供述証拠の獲得に長ける
  欧米 客観的証拠の獲得に長ける

 

 

自白至上主義につきましては、別途記事にします。